初台・新国立劇場にて「こうもり」を観てきました。
こうもりはお正月にふさわしい出し物なのですが、
新国立劇場では今年は蝶々夫人のほうが先でした。
本当はこうもりを新年1番にやりたかったのだけど、
出演者のスケジュールなどの都合でこうなったのでは・・・?と想像します。
「こうもり」は、「ハンガリー万歳」や「雷鳴と電光」など
ヨハン・シュトラウス自身の名作も織り込まれ、
歌あり・芝居あり・ダンスあり・パロディありの超お気楽エンターテイメント。
オペラやオペレッタが、テレビも映画もなかった時代の娯楽だったことを再認識です。
芝居部分は、
第1幕でのアイゼンシュタインとロザリンデの別れの晩餐が
「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」「寿司」だったり、
みんなで夜の女王のアリアを鼻歌交じりで口ずさんだり、
第2幕はじめではオルロフスキーが
「ツマラン・ツマラン」と言いながら出てきたり、
第3幕で刑務所の中でアルフレートが歌うのが
「誰も寝てはならぬ」だったり「千の風になって」だったり、
看守が飲んでいる酒が"スリポヴィッツ"ではなく"ショウチュウ"だったり、
職業を聞かれたアルフレートが日本語で「テノール歌手です!」と答えたり。
元の台本にもたくさんのネタが仕込んでありますが、
会場の笑いを誘う追加ネタも満載。
ここまで来るとコメディミュージカル感覚です。
楽しませていただきました!
とは言え、軽いものに見られがちなこの作品ですが上演はけっこう難しいのです。
主役級ソリストが少なくとも6名必要です。
芝居が多いため、演技力や「見せること」も重視されます。
さらにオケもとても難しい・・・!
この日も切れ味抜群!ノリノリで弾けまくり!
・・・というワケにはいきませんでした・・・。
いつもやっている指揮者といつもやっているオケが
いつものレパートリーを・・・という公演ではないので仕方ないですね。
歌手の中では、やはり主役のアイゼンシュタインとロザリンデがよかったです!
看守フロッシュの演技も良かったですね。
舞台演出がキレイでした。
特に第2幕の晩餐会の場面がカラフル・豪華で。
さらに、第3幕の最後の種明かしの場面が印象的でした。
この作品は、最後は「全部シャンパンのせいさ!」「笑い飛ばそう!」で
終わるのですが、舞台設定が刑務所なので暗く地味なセットで
笑って終わらなければならない・・・というジレンマを抱えています。
今回は最後の最後で、刑務所も晩餐会会場の一部でした!という演出。
「実は刑務所も含めてのお祭り騒ぎパーティでした!」という意図なのでしょうか。
この作品が最後に華やかな舞台で終わるのはいいですね。
舞台写真はこちら。
「シャンパン・オペレッタ」の異名を持つこの作品。
終わった後は、当然シャンパーニュです!
ところで・・・
日本語では「こうもり」、ドイツ語では「Die Fredermaus」ですが
英語では「The Bat」なんですね・・・
アメリカやイギリスの方から見ると当たり前なのでしょうけど、
なんだか違和感あります(笑)
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お久しぶりですがブログお引越し
6 年前
2 comments:
ドイツ語では”夜遊び人”の俗称、ということでしょうから、
Batがそれにあたるのかどうか……
子供の頃、初めて観たオペレッタが二期会のこうもりでした。
当時のソリストは確か、立川澄人さん、五十嵐清さん、島田祐子さん……
よく耳にする曲が沢山含まれていて、子供ながら最後まで楽しんでみていました。
当時としては島田さんを見て”オペラ歌手なのにやせている!”と印象深かったのを覚えております。
カレルさん、
でも、DVDのパッケージなどには「The Bat」と書いてあるんですよ(笑)
最近はオペラ歌手もルックスが求められるようになってきましたね。
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