やっと行ってきました。
『フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち~』
http://www.tbs.co.jp/vermeer/
上野・東京都美術館で開催中です。
全30数点しかない作品のうち、7点が日本へ!
7点すべてを違う美術館から持ってきているのも面白い企画です。
私がまだ見ていない作品が4点も!
うち1点は個人蔵なので、とても有り難い、貴重な機会です。
人気のある美術展へ行くときはいつも平日の朝一番です。
天気が悪ければなお良しです。
特に台風直撃・大雪など交通機関への影響が出そうな時を狙います。
が、しかし・・・
年内で平日に休みが取れそうなのは今週が最後。
あいにくの良い天気でした(笑)
上野公園も少し色づき始めています。
朝一番で並ぶときはチケット必携です。
チケットを持っていないと、せっかく朝早くに行っても
チケット売り場が9時に開くのを待ってから買い、
その後に行列の後ろへ回らなければなりません。
当日、チケットを持っていない場合は、
上野駅構内のコンビニか、みどりの窓口へ行けば早朝でも買うことができます。
上野駅の美術館チケット売り場は9時だったか10時からしか開きません。
みどりの窓口も、通常の窓口は開くのが遅いのですが新幹線改札前の窓口は
早朝から開いているので、ここを利用します。
今回も、新幹線改札口前のみどりの窓口で無事チケットを入手できました。
都美前に着いたのは、開館1時間前。
既に5人ぐらいの列ができていました。
開館時には100人ぐらいになっていたでしょうか。
開館と同時に1階の展示には目をくれず、やや早足でフェルメールのある2階へ。
いました!ありました!
まずは「マルタとマリアの家のキリスト」
※スコットランド・ナショナルギャラリーhttp://www.nationalgalleries.org/よりリンク
スコットランド・ナショナルギャラリーにある絵で、私は初めて観ました。
フェルメール初期・唯一の宗教画です。
フェルメールの他作品とは作風が違いますが、
赤・黄・青・布・左側から光というところはフェールメールですね。
そして、マウリッツハイスにある「ディアナとニンフたち」
※マウリッツハイスhttp://www.mauritshuis.nl/よりリンク
あの、真珠の耳飾りの少女と同じ美術館にあります。
これも他作品とはやや異なる作風のため、マウリッツハイスに行ったとき、
私ははじめはフェルメールとは気づかずに見ていました。
マウリッツハイスは建物もいいんですよね。
何度も行ってますが、また行きたい美術館です。
アムステルダムにある「小路」
※アムステルダム国立美術館http://www.rijksmuseum.nl/よりリンク
写真だとなかなか伝わりませんが、本物は奥行き感が全然違いますし
ディティールの描写精度が違うので、ぱっと見たときに視線を集める場所が違います。
たとえば、建物前でしゃがんでいる黄色い服の人。
写真だとなんだか溶け込んでいますが本物を見るとここに目が行くんです。
ちなみに、アムステルダム国立美術館の地下には長崎の出島の模型や
出島貿易時代に持ち帰った刀や鎧が展示してあります。
こんなところで日本の歴史を見るというのも、なかなか新鮮で面白いです。
ブラウンシュヴァイクにある「ワイングラスを持つ娘」
※アントン・ウルリヒ美術館http://www.museum-braunschweig.de/よりリンク
少し前に、このブログでも採り上げました。
やはり他の絵に比べて修復・洗浄・保管が十分でないことを伺わせます。
しかし、それを補ってあまりある絵の力を改めて感じざるを得ません。
他の作品と並べて見ることで、この絵の力がさらに際だっています。
構成・光の濃淡・表情など、どれを取っても秀逸です。
そして今回改めて気づいたのは、この絵は近づいたり観る角度を変えると
まったく違うところに視線が行き、違う発見があることです。
これはこの絵に限ったことではないのですが、この絵は特に顕著だったのです。
オーケストラやオペラは、その本拠地となるコンサートホールや劇場で
聴いてこそ本物の音が聴けるという理屈に似て、
現地の美術館で見ないと、という声もあるのですが・・・
こうして他の作品と並べて見られる機会は貴重です。
同じ絵を違う美術館で観る楽しみ。
東京など他都市で行われる企画展ならではの楽しみ方ですね。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館にある「リュートを調弦する女」
※メトロポリタン美術館http://www.metmuseum.org/よりリンク
フェルメール後期の作品ですね。
私は初めて観る絵です。
髪の毛や布の縁、影の境目での光のぼかし方が印象的でした。
背後にある地図も面白いです。
今回出展中止になった、ウィーン美術史美術館所蔵の「絵画芸術」にも
背後に地図がありました。
アイルランド・ナショナルギャラリーにある「手紙を書く夫人と召使い」
※アイルランド・ナショナルギャラリーhttp://www.nationalgallery.ie/よりリンク
初めて観る絵です。
言葉を失いました。ただただ、圧倒されました。
すごい光の濃淡・陰影、白の輝き。
この作品1点だけを目玉作品にして
展覧会を企画できそうなほどです。
見に来て良かった!
「ヴァージナルの前に座る若い女」
個人蔵のため、ネット上で公式に公開されている画像はありませんでした。
見たい方は、こちらからどうぞ。
これも初めて観る絵です。
写真で知ってはいましたが、これほど小さいとは。25.2 x 20cmです。
ルーヴルにある「レースを編む女」と同じぐらいの大きさです。
・・・と思っていたら、同じ布地からとって作ったキャンバスに描かれているのだとか。
フェルメールはピンホールカメラのような物で写真を撮り、
それを見ながら絵を描いたそうです。
その様子は映画「真珠の耳飾りの少女」にも出てきますね。
どの作品も写真のように一瞬の「時」を切り取ったような不思議な感覚があるなぁ、
と思いながら観ていました。
館内へ入ってから最初の1時間はこれらの絵をぐるぐる行ったり来たり。
かなり自由に、好きなだけ観ることができました。
10時を過ぎると混み始めてきたので、
1階から順にその他の出展作品を観て出てきました。
フェールメール7点中2点が初来日、4点が私にとっての初体験。
大満足な展覧会でした。
印象に残ったのは、「ワイングラスを持つ娘」と「手紙を書く夫人と召使い」です。
会期中にもう一度ぐらい行きたいのですが、
平日に休みを取れる見込みがないのが悩みどころです。。。
『フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち~』
http://www.tbs.co.jp/vermeer/
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お久しぶりですがブログお引越し
6 年前
4 comments:
チケットの買い方の技、素晴らしい!参考にします。
平日の早朝なのに、随分たくさんの方がおいでになるのですね。
いつ行っても混んでいる訳です。
美術作品は、なんというか、人がポツリポツリくらいしか居ないような空間で見たい物です。
マルタとマリアのシーンは、聖書の中でもとても生活の匂いのある場面です。
マルタが家事をせずにキリストの傍で話を聞いている物だから
”先生、この子にちょっと手伝うように言ってやって”と文句を言うマルタ。
そこにキリストの大事な一言が入るのですが、
くつろいだ家庭的な様子が描き出されていると思います。
カレルさん、
人気のある展覧会ほど混んでいますが、慣れて無くてチケットを持っていない方が多いように見えます。
平日の、ルーヴル以外のヨーロッパの美術館なら人も少なく、じっくり見られるのですが会期が限定される日本の企画展だと難しいでしょうね。今回のフェルメールは4か月もやるのに、それでもあの混雑ですから。
お久しぶりです。
好きな絵が見られて、よかったですね。
展覧会のHPを見る限り、わたしも気になります。
あとは同じ上野の国立西洋美術館のヴィルヘルム・ハンマースホイ展も気になってるんです。
芸術に食欲に楽しい秋をお過ごしください★
りんさん、
お久しぶりですね。
芸術の秋、気になる展覧会が目白押しです。
西洋美術館も、Bunkamuraミュージアムも気になっています。
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