2011/04/12

新国立劇場「ばらの騎士」初日

新国立劇場「ばらの騎士」初日を聴いてきました。





楽しみは、演出・オケ・歌手です。

演出はジョナサン・ミラー。
6年ぐらい前にパリで「ラ・ボエーム」を観て以来、彼の舞台のファンです。
彼の舞台はオーソドックス路線ですが、
非常に格調高く、重厚で雰囲気があります。
新国立劇場の「ばらの騎士」は4年前のプロダクションの再演ですが、
あの舞台をもう一度!観たかったのです。

オケはクリスティアン・アルミンク指揮の新日フィル。
このオケが新国のピットに入るのは初めてです。
アルミンクの新日フィルは昨年演奏会形式で「ばらの騎士」を演奏しており、
息の合ったコンビのこなれた演奏が楽しみでした。

歌手も、カミラ・ニルント、フランツ・ハヴラタはじめ豪華歌手陣!






ところが・・・


震災&原発の影響か、外国人のキャンセルが相次ぎ・・・
指揮者、元帥夫人、オクタヴィアン、ゾフィー、ファニナル役が次々とキャンセル。
 (指揮者と主役級のほとんどが変更になったら、もはや別公演でしょ!)

しかし、オックス役のフランツ・ハヴラタ氏だけは
キャンセルせずに来てくれました!

芸術監督尾高氏からのメッセージにも次のようにありました。
 「来日を前に、キャンセルしたいという外国人も出てきた。
  そんな中でハヴラタ氏から「自分は絶対に行く!」
  というメッセージをいただき、
  一筋の光が見えた気がしました。」

また、指揮者や元帥夫人の代役も欧州勢です。
よくぞ代役を引き受けてくれました!ありがとう!






さて、そんな状況で始まった「ばらの騎士」初日。

オケは第一幕こそ硬さや手探り感がありましたが
第二幕以降はどこかにスイッチが入ったかのような
気合いと集中力で熱演を聴かせてくれました。





歌手陣の中では、なんと言ってもハヴラタ!
彼の独り舞台だったと言っても過言ではないでしょう。
周りの歌手とは明らかに別格の存在感。
私はこれまで、ハヴラタの歌を何度か聴いたことがあったはずですが
ここまで強烈に印象づけられたこともありませんでした。
彼自身も、今の日本に乗り込んで歌うことへの
気持ちの入り方が違ったのではないでしょうか?
今、自身が歌手として日本のために何ができるかを知り、
日本のために来日し、歌ってくれたのではないかと思うほどでした。





あとは、ゾフィーの安井さん。
彼女は以前から「上手いなぁ」と思っていましたが
この日も素晴らしかったです。
特に、第二幕の銀のばらの贈呈のシーン。
ここは個人的にも好きな箇所なので堪能させてもらいました!
惜しむらくは、スタミナ。
最後はバテ気味で声が出なくなり、
音程も保てなくなってしまったのが残念でした。
あとは、プロンプタに釘付けにならなければ完璧です(笑)

オクタヴィアンとファニナルは声が全然聞こえませんでした。
元帥夫人役も声だけは出る人だったので、
最後の3重唱・2重唱のバランスが・・・





ここまで日本人率の高い舞台は久しぶりでした。
最後はオクタヴィアンとゾフィーだけになりますが、
古風なヨーロッパ風の衣装で、姫役とズボン役。
宝塚みたいになってました(笑)


今回のばらの騎士、もう一回聴きにいく予定です。


※コメントの投稿はここをクリック

0 comments:

コメントを投稿

 



Copyright © 2007 - 2013 liebejudith All Rights Reserved.