2011/04/23

新国立劇場「ばらの騎士」最終日

4月10日の初日に続き、4月22日の公演を観に行きました。
5回公演のうちの、初日と最終日を観に行ったことになります。





最終日は、初日に比べ、オケが格段に良くなってました!
初日は手探りな感もあったのですが、最終日は冒頭からよく鳴ってました。
初日は、震災・原発の影響で来日直前に指揮者が交代になり
練習時間も短かったのでしょう。
最終日は息の合いかたが全然違いました。
カーテンコールでも、指揮者へのブラヴォーと拍手が凄かったです。
新日フィルは弦の重厚感はありませんが、特に管が上手いですね。
Rシュトラウスのきらびやかさを堪能させていただきました。

第3幕終盤の「マリー・テレーズ・・・」から始まる
3重唱〜2重唱の芳醇・芳香な響き!

いかにも、ヨーロッパの中堅ベテランのオペラ職人。
キャンセル・代役続出の中で、手堅い演奏をする
このタイプの指揮者はよい人選だったのだと思います。


キャンセルした指揮者のアルミンクの代役の
マイヤーホーファー氏もまたオーストリア人。
アルミンクが原発の風評を恐れてキャンセルしたのであれば
本当にガッカリです。
彼は単なる客演ではなく、音楽監督ですし。

まあ、ヨーロッパでは、日本イコール原発だから近寄らない・輸入しない
という風潮になってますしね・・・
四国のタオルの輸入が止められたり、
福岡の国際会議が中止になったりするぐらいですから。






しかし何と言ってもこの日もハヴラタ!
圧倒的存在感です。
彼にとっても一世一代の大名演だったのではないでしょうか。
フォン・オックスは尊大で卑しくて傍若無人な役ですが、
ステージ上にいても彼へのみんなのリスペクトが
伝わってくるようなオーラを感じます。
稽古から最終日まで、彼がこのプロダクションを引っ張っているのでは?
とまで想像してしまうほどです。
指揮者・マルシャリン・オクタヴィアン・ゾフィーと
キャンセルが相次ぐ中で彼だけは来日し、5回の公演をこなしました。
出演者やスタッフの、彼への信頼と感謝は絶大だったことでしょう。
カーテンコールのブラヴォーも、彼が一番盛大でした。
日本のオペラファンは彼の名を一生忘れないでしょう・・・





総じては、オケ以外は初日のほうがよかったです。
震災後1ヶ月の休演を経て再開した新国の公演初日。
指揮者や主役級の歌手のキャンセルが相次ぐ中、
本当に成功するのか?という不安感と緊張感は独特のものでした。
客席にいる私にもそれが伝わるのですから、
出演者・スタッフのみなさんはどれほどのものだったことでしょう・・・


「ばらの騎士」は本当に好きな演目です。
震災後の特殊な状況下での、ある意味記憶に残る公演が
ばらの騎士だったというのもまた、思い出になるでしょう。

語り継がれるべき、伝説の公演になったのではないかと思います。

予定通り、震災も無く、アルミンクが来て公演が行われたとして
これだけのインパクトのある公演になったでしょうか?


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