2010/11/23

アーノンクール来日公演!

今年、ニコラウス・アーノンクールがまた来日してくれました!
10月終わりから11月初めにかけて、コンツェントゥス・ムジクス・ウィーンとの日本ツアーがありました。

アーノンクールは、私が最も好きな現役指揮者の1人です。
4年前の来日時にはほぼ全公演を日本全国追いかけたぐらいです。
それまではなかなか来日しない(というかヨーロッパから出てこない)演奏家だったので、
こちらから何度もヨーロッパへ出向いて聴きに行っていたぐらいです。

ベルリンで、アムステルダムで、ウィーンで、グラーツで、チューリヒで・・・
そして東京で彼の演奏を聴きました。


今回は恐らく最後の来日になるでしょう。
しかも、プログラムは、アーノルド・シェーンベルク合唱団との
バッハのロ短調ミサ、ハイドンの天地創造という重量級!
他にはモーツアルトのプログラムのオケのみのプログラムもありましたが、
バッハの日と天地創造の日に聴きに行ってきました。


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10/26 サントリーホール。
バッハのロ短調ミサの日です。

アーノンクール氏は80歳とは思えない元気さで、
これらの大曲を立ったまま指揮していました。
ヘーバルト氏、アーノンクール夫人、トルコヴィチ氏、ヴェスターマン氏等
おなじみの面々も健在です。

アーノンクールは、10年ぐらい前までは
非常に刺激的・先鋭的な演奏をするという印象が強かったのですが
ここ数年、特に合唱付きの教会音楽では
静かに佇む迫力というか、
ひたひた迫り来る恐ろしさというか、
そんな演奏をするようになってきたと感じます。

スケールの大きい、本当に感動的なバッハでした。
後半はオケの団員の数名は涙が止まらず、泣きながら演奏していたほどです。
最後のゆったりしたコラールが折り重なり合い、
天井に響き渡る様子が忘れられません。

この日は芦屋からRubyさんも出てきてくれて、ご一緒させていただきました。
わざわざ出てきていただいたので、良いコンサートを味わっていただけて本当に良かったです。


古楽器は現代の楽器とは音の溶け合い方が違いますから、
古楽器オケの演奏を聴くと、
バッハがどのような効果を意図したのかを
改めて再発見する楽しみがあります。
弦楽器と声、管楽器と声、弦楽器とオルガン・・・
どれも自然に音が溶け合い、
新しい音が次々と産まれてくるのにわくわくする演奏でした。
チェロのピチカートとポジティヴオルガンの組み合わせって、
なんと不思議な音なのでしょう!

驚いたのは、sanctusの前で合唱の配置を変えたこと。
最初はS-A-T-Bでしたが、sanctusの前で合唱団がぞろぞろ移動をしてS-T-B-Aに。
女声のステレオ効果がすごかったです。
最初からこの配置だと耳が慣れてしまったのでしょうけど、
途中で変えることにより、ここぞというところで
ステレオ効果を際だたせることに成功していたと思います。

オケの配置は、Vn,Va,Vc,木管が指揮台をぐるっと囲み、
上手奥にCb、下手奥にティンパニとトランペットという、
バロックの教会音楽演奏によくある配置です。
オルガンは指揮者のすぐ前、
コルノ・ダ・カッチャは木管群の奥にいました。

独唱陣ではテノールのMシャーデが抜群に上手かったと思いました。
教会音楽の独唱にふさわしい、美しく澄んだ声。端正な歌い方。安定感。
ソプラノのレッシュマンはややイタリアオペラっぽい劇性と起伏のある歌唱で
バッハの教会音楽にはややミスマッチな感も。


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バッハがあまりに凄いコンサートだったので、当日券で天地創造も聴きに行きました。

10/30 サントリーホール。
ハイドンのオラトリオ「天地創造」。

こちらはバロックというよりも古典派ということもあり、
オケの配置も、前方に対向配置の弦楽器群、中央後方に管楽器群という配置。
コンティヌオはチェンバロではなく、フォルテピアノでした。
折曲がっていないコントラファゴットにもびっくり!


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この日も非常に完成度の高い演奏でした。

しかし残念ながら・・・

ここまでの天地創造を聴くチャンスはなかなか無いだろうな・・・と思いつつも、
オケメンバーが泣きながら演奏していたバッハの、
あの「特別な何か」は、残念ながら感じられませんでした。

残念と言えばもうひとつ。
金曜日だったにもかかわらず客席がガラガラだったことです。
火曜日のバッハの日の方がずっと入っていました。
個人的にはバッハのロ短調ミサの方が好きな曲なのですが
一般的には天地創造の方が人気があると思うのですが・・・

会場ではmya姐さんにばったり。


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もう日本には来ないのかな・・・と思うと、またヨーロッパまで聴きに行ってしまいそうです。
私が聴いた日とは別の日ですが、10/24のNHKホールでのバッハのロ短調ミサのコンサートは11/27にNHK BShiで放送されるようです。




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