2010/03/29

ティーレマン

もう3月も残り3日とは思えないほど寒い1日でしたね。


今日はコンサートを聴いてきました。


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クリスティアン・ティーレマン指揮
ミュンヘンフィルハーモニーのコンサートです。


場所は、横浜・みなとみらいホール。
ここへ行くのは久しぶりでした。
みなとみらいホールの開演のベルは船の出航の銅鑼の音なんですよね。

 ※情報いただきました。あの銅鑼は、日本丸のものだそうです。

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曲は大好きなBrucknerの交響曲第8番 c-moll。
2007年秋の来日時の第5番が素晴らしかったので
今回の第8番を本当に楽しみにしていました。


このオケのブルックナーの第8番と言えば、
20年前にサントリーホールで聴いたチェリビダッケ指揮の演奏が忘れられません。
チェリビダッケも個性的ですし、あの頃のMPOは猛者揃いということもあり、
非常に強烈な演奏でした。
ちなみに、その演奏は以前LDで出ていましたが来月あたりにCDで出るそうです。
(私はNHKの放送をS-VHS録画したテープを持っていますが
再生できるかどうかわかりません。笑)


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 これはランドマークタワーです。
 ここで4階から転落して亡くなった方がいるんですよね・・・
 元からあった手すりの上にさらにガラスの防護壁が取り付けられていました。


今日の楽譜はHaas版です。
Nowak版を公式な稿とする見解も多いですが、
ソナタ形式としての構成の美しさ・強固さで私はHaas版が好きです。
Nowak版を聴くと特に第3楽章の再現部で展開が唐突に聞こえます。

Haas版の楽譜は既に絶版となっており入手できなくなっています。
私は80年代に第7番と第8番だけ手に入れており、今となっては宝物です。

まさか東西ドイツ統一のあおりで絶版になるとは思っていませんでした。
知っていれば、3番も4番も買っておいたのに!


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今日のオケは16-14-12-10-8型の両翼配置。
左奥にコントラバス、右奥にホルン。
ハープ3台、トランペットとトロンボーンは1アシ付きです。

コンサートマスターはNasturica-Herschovici氏。

フルートはJäckle氏。Michael Kofler氏じゃなくて残念。
Kofler氏の笛、気に入ってるんです。

オーボエもクラリネットも首席は女性でした。
すごく良かったです。

ホルンのトップはJörg Brücknerという人。
この方のいいときは素晴らしいんだろうな
と思わせる音でしたが、コントロールがイマイチでした。
楽器かマウスピースを変えた直後なのか、
あるいはたまたま調子が悪かっただけなのか・・・
ちょっと粗さが目立ってしまった場面も。

パウケは若い人でした。
MPOにはPeter Sadloという伝説のPaukerがいて、
なんだか彼もSadloを意識したようなプレイだと思いました。

前回の来日時に一部で「あの子はだれ?」と話題になった、
美人コントラバス奏者のGuoさんもいました。


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全体としては、前回の来日時の第5番の方が完成度が高かったような気がします。
全神経を張り巡らせて鉄壁のアンサンブルを!というオーラが
(前回に比べて、ですが)やや弱かったような印象。
原因が、コンマスの腕なのか、ホールの違いなのか
オケの集中力の違いなのかは定かではありませんが・・・

それでも、他ではちょっと聴けないような
非常に高水準な演奏であることには間違いないでしょう。

第1楽章の第1主題がフォルテに切り替わった瞬間に
あの緊迫感でブワッと汗が出た気がしましたし、
第3楽章は本当に美しく美しく・山は高く高く。。。
深く・たっぷり・大きく・重厚に・壮麗に・ゆったりと響き渡るブルックナー。
これぞドイツのオケでブルックナーを聴く醍醐味。

最後の音を長めにたっぷり響かせた後は静寂。
この瞬間は会場に居合わせた人だけが味わえる至福のひとときですね。


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会場では、ティーレマン&ミュンヘンフィルによる
ブルックナーの第4番&第7番のDVDが販売されていたので買ってきました。
レコード店の店頭より数日だけ早い先行販売なのだとか。


・・・しかし、日曜のマチネにブルックナーはいただけませんね。
自分でコンサートを選べない初心者層に易しく(優しく)ありません。



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3 comments:

gosealhunt さんのコメント...

大好きなティーレマン(深い+ドーン)を堪能できて良かったですね!! お花見で会うのを楽しみにしています。前日にお店に電話して予約確認するつもりです。
hotneveさんはげるちゃん(ゲルギエフ)が好きなんですって。にゃふ妻もヘンデルとかにハマっているので音楽の話ができそうです。

マサヤン さんのコメント...

はじめまして ご訪問ありがとうございます。
音楽に関してはプロフェショナルですね・・
よかったらいろいろとお教えいただいたら・・
と 思います
私のほうは、かなりの低レベルですが・・

クリムトもフェルメールも好きですが・・芸術家の一生の
情念のこもった1点をさがすのが・・興味があります。
スイスやドイツ、オーストリア  行きたいですね。

もしよかったら、私の田舎滞在の日記で、面白くないかもしれませんが 感想を お願いします。

liebejudith さんのコメント...

gosealhunt さん、
ティーレマンは現役の中では好きな指揮者の1人です。ウィーンまで聴きに行ったこともありますよー

マサヤンさん、
ご訪問ありがとうございます!クリムトの入魂の一作と言えば、ウィーンのセセッシオンにある「ベートーヴェン・フリーズ」です。ぜひ調べてみてください。

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