2009/04/13

ワルキューレ

トム・クルーズ主演の映画ではありません。

新国立劇場で上演中の、ワーグナー作「ニーベルングの指環」4部作の第2作目です。
※4部作は序夜・第1夜・第2夜・第3夜なので、
第2作目の「ワルキューレ」が第1夜となります。


「ニーベルングの指環」はワーグナーの作品ですが原作は北欧神話なので、
「ロード・オブ・ザリング・指輪物語」と根っこは一緒ですね。


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今回の上演も先月の「ラインの黄金」に引き続き、
伝説の舞台・キース・ウォーナー演出の「トーキョー・リング」シリーズの公演です。

第1幕は逃げまどうジークムントとそれを追うフンディングの一党のシーンから。
それをヴォータンが遠くから矢印の形状をした槍で指しています。
すべてはヴォータンの手の内ということなのでしょうか。

フンディングの家は、天上から巨大な矢印が突き刺さっています。
ジークムントがここに辿り着いたのは偶然ではなく、
すべてヴォータンの意志・ヴォータンの導きであるということなのでしょうか。

第2幕は天上のワルハラから下界を見下ろしているかのような造り。
ラインの黄金のくだりを語る場面では映写機のテープを引きちぎる場面もありました。
先月のラインの黄金ではヴォータンが映像を観ているという設定だったので、
あのテープがラインの黄金の物語を収めたテープなのでしょう。
父娘であーだこーだぐだぐだ語り合っている場面はやっぱり眠かったです(笑)
このシーンは「ワルキューレ」の鬼門です・・・

第3幕はいきなりワルハラ城付属・救急病棟!
なんと、ワルキューレたちはナースです!(いや、白衣を羽織っていたから女医?)
「ワルキューレの騎行」が鳴り響く中、「ホヨトホー!」と歌いながら
すごい勢いで病棟の扉を蹴破っています!
馬に乗っているのではなく、ストレッチャーを押しながら駆けめぐっています!
ストレッチャーで病棟の扉という扉を突き破っています!
ワルキューレの仕事は戦死した勇者たちをワルハラ城へ運ぶことですが、
担架で運び込まれた勇者たちが起きあがり、
ゾンビのようにワルハラへぞろぞろ入っていきます。

最後のブリュンヒルデが眠りに就くシーンは
巨大な金属製のベッドに目覚まし時計。その周りを炎が囲みます。

いやはや、すごい演出です・・・
先月の「ラインの黄金」の時にも書きましたが
これが7年前の演出とは思えないほど、斬新・新鮮。
古くささも難解さも感じさせません。

キース・ウォーナーの演出は、前回「ラインの黄金」のローゲの登場場面や
今回「ワルキューレ」の第2幕でのフンディングの登場場面など、
大道芸人のびっくり箱的な「ぽんっ!」という演出も毎回ありますね。
あまりのチープさにクスクス笑っているお客さんもたくさんいました。


神ヴォータンが遺した聖剣ノートゥングは
選ばれた勇者にしか持てないという設定ですが・・・
この思想はスター・ウォーズや銀河鉄道999にも影響を与えているのかな、と
個人的には感じています。

このヴォータンという神様。
雇われ社長的な立場で神々の長の地位にいます。
奥さんに頭が上がりません。言うことを聞かざるを得ません。
ですが、外で奥さんではない女性にたくさん子供を産ませています。
ワルキューレは、ヴォータンの子供達の物語でもあります。
子供同士が結ばれてさらに子供ができたりしてます。
彼らを救うのも、ヴォータンの子供です。
ジークムントも、ジークリンデも、ブリュンヒルデもヴォータンの子供なんです。

・・・いいのでしょうか?・・・汗;


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ヴォータンは前回の「ラインの黄金」に引き続きユッカ・ラジライネン。
押しが弱いところも前回同様でした(^^;
ジークムントはエンドリック・ヴォトリッヒ。
ちゃんと歌っているのですが存在感・声量が今ひとつですね。
「ヴェルゼ!」や「ノートゥング!」はもっと劇的にやって欲しかったかな・・・
ジークリンデのマルティーナ・セラフィン、(立派!)
ブリュンヒルデのユディット・ネーメット、(さらに立派!!)
フリッカのエレナ・ツィトコーワ、(相変わらずの存在感!)
8人のワルキューレたち。(アンサンブルが見事!)
女性陣が素晴らしい出来映えです!男性陣が霞んでしまっています。
所詮、男性は女性にはかないっこない・尻に敷かれるものだという、
深遠な演出なのでしょうか(・・・なワケないですね。笑)
そんな草食系男性歌手陣の中で、フンディングを歌った
クルト・リドルが出色の存在でした。
とにかく、声が、もうすごい。圧倒的。
歌い方にクセがあるので好き嫌い分かれるところではあると思いますが。
2年前のドレスデン国立歌劇場来日公演で、ばらの騎士のオックス男爵を
歌った人ですがこの時も圧倒的な声を聞かせてくれたのを思い出しました。

オケ(ダン・エッティンガー指揮の東フィル)は今回も大健闘・大熱演でした。
そりゃあ、かつてベルリンやドレスデンやウィーンで聴いたような
デモーニッシュさ・魔性・毒性・うねりはありませんが、
ここまでやってくれたら大満足です。
時折、弦セクションからはフワッ!とファンタジーを感じました。
管も、バストランペットとオーボエ以外は安定していたと思います。
オーボエはずっとイントネーションが悪かったのですが、
第3幕からはだいぶ安定してきました。
ティンパニも弱音部で音色とニュアンスをコントロールしていて
とても良かったと思います。

最後の父娘の別れのシーンはグッときました。
すばらしい高揚感です。


話はそれますが、あのドイツ人の底力。
あれは日本人にはなかなか達することができないものを感じます。
単に体力的な問題だけではなく、音楽に対して執着し続ける力というか。
彼らが元は狩猟民族だからでしょうか?
血で血を洗う領地争いの歴史ゆえなのでしょうか?
1対1で向かい合ったとき、人の目を凝視し続けられるのは
日本人は10秒が限界だそうですが、ドイツ人はいつまでもまっすぐ
見つめ続けられると言われます。
そんな集中力の違いをどうしても感じるのです。


休憩時間は45分の休憩と35分の休憩が1回ずつでした。

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ドイツオペラの上演ということで、ロビーではゼクトを売っていました。
「ゼクト」とはドイツのスパークリングワインです。


14時開演で、終わったのは19時30分ごろです。

出演者の方々だけでなく、聴く方にも気力・体力を要します。
でも音楽もストーリーもしっかりしているので、
さらに今回のように演奏も演出もバッチリなら比較的聴きやすい作品ですね。

出る頃にはすっかり夜です。

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東フィルには親しい知り合いがあまりいないのですが
今回は大学の後輩がエキストラで乗っていました。
本番前にピットを見に行くと向こうから気がついてくれたので手を振って、
終演後に「おつかれさま」メールをしておきました。


第3作目(第2夜)「ジークフリート」、
第4作目(第3夜)「神々の黄昏」は来年の2月・3月です。
今から楽しみです。

この「トーキョー・リング」は本当に良い舞台です。
新制作初演時は1年に1作ずつ、4年がかりの上演でした。
今回は1年に2作ずつ2年越しの上演です。
ドイツの劇場のように、「1週間で4部作上演」を毎年できるようなったら最高ですね。


新国立劇場「ワルキューレ」
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000074_opera.html



劇場内はとても乾燥しているので・・・

終わった後のビールが美味しいのです!

ブラウマイスター。

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生ハム。

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ハートランド。

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※ブラウマイスターと見た目の違いがわかりません・・・(汗;

焼きニョッキ。

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ニョッキのもちもち感とかりかりベーコンの食感の組み合わせが絶妙です。

漬けラムのロースト。

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鴨のオレンジソースが無い今、一番のお気に入りメニューです。
柔らかいです。

海老のトマトクリームパスタ。

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これ、美味しかったです!

キリンシティはお手頃価格でビールも食べ物も美味しいので気に入っています。
月ごと、季節毎にメニューが変わるので飽きませんし。



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