2009/05/02

初夏のアルプスの1日

夕暮れのサントリーホール前です。

R0013401.DNG

一昨日に引き続き、シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
(=ザクセン州立歌劇場管弦楽団))の来日公演です。

今日もファビオ・ルイジ指揮でオールRシュトラウスプログラム。

・ツァラトゥストラはこう語った
・アルプス交響曲

アルプス交響曲は夜明けから夜までの、アルプスの1日を描いた曲です。
夜~日の出~登山~森の中~頂上~嵐~下山~夜と、
いろいろなシーンを音楽で表しています。
途中、花咲く草原や小川、滝、氷河などのシーンもあります。
そのために、曲中では雷鳴を出す機械や風の音を出す機械なども使われます。


一昨年スイスの山へ行ったとき、アルプスの山の上でアルプス交響曲を聴くぞ!
と思い、MP3プレイヤーにこの曲を入れて持って行ったのを思い出しました。



アルプス交響曲は超大編成なため、
とても人気はあるのにあまり演奏されない曲です。
この曲が演奏されるというだけの理由でチケットを買う人もいます。

今日はさすがに、舞台裏バンダ(ホルン12、トランペット2、トロンボーン2)は
省略され、舞台上のオケメンバーがミュート付きで演奏していました。

それでも、この曲を初演したシュターツカペレ・ドレスデンです。
初演オケの面目躍如たる、すばらしい演奏を聴かせてくれました。

このオケの弦セクションの厚み・柔らかさ・輝きは相変わらず素晴らしいです。
唯一無二と言っていいでしょう。

管楽器にも数々の難所があるのですが、
それらを「難所」と感じさせず「音楽」を聴かせてくれたのもさすがです。


日の出のシーンで、既にボルテージ最高!
この時点でここまでやってしまって、
その後山に登れるのか?と心配になるほどでした。

しかし!

想像以上の頂上~嵐のシーンが待っていました!

もう、音の洪水。
しかも、決して破綻することのない、究極の美音の洪水です。
オーケストラ全体をトータルに見て、音色・響き・バランスを崩すことなく
ここまでの音響を作り上げることができるとは。

ただただ、唖然とするばかり。圧倒され、言葉になりません。
世界有数のオーケストラだけが成し得る技と言えるでしょう。


圧倒的な頂上へ導いたのは、オーボエ首席のお姉さんでした。

頂上のシーンの直前のソロ。
微妙なニュアンスたっぷりに、指揮にぴったりついていきます。
ゾクゾクしました。

あのオーボエのソロがあったからこそ、あの頂上にたどり着いたのだと思います。
頂上へたどり着いたとき、ぱーっと視界が開けた感じがしました。
あの遠近感の表現!

これだけのアルプス交響曲は、そう滅多に聴けるモノではありませんね。
終演後のお客さんの熱狂もすごかったです。
盛り上がってました!


10年ぐらい前にも、このオケでアルプス交響曲を聴いたことがあります。
このときの指揮者はジュゼッペ・シノーポリでした。
シノーポリの時もこのオケの底力を感じさせましたが、少々強引な感も。
今回ルイジの指揮は、よりしなやかさがあったと思いました。


アンコールは無し。
一昨日の「オベロン」序曲は素晴らしい出来でしたが、
これだけの演奏のあとには、もう何も要りません。




終わった後は、オーバカナルで遅めの夕食を。

R0013407.DNG

非常に気分が良かったので、ちょっと奮発してモエのシャンパーニュを。

隣のテーブルやすぐ近くのテーブルでは仕事を終えたオケメンバーの方々が
食事を摂っていました。

R0013412.DNG

その中に、唯一の日本人メンバーである島原早恵さんの姿も。

島原さんとは同じ大学出身で、入学した年も一緒で、共通の友人もいるので
学生時代に少しだけお話しさせていただいたことがあります。

今回、ちょっとだけお話しさせていただきました。

前回日本へいらっしゃったときにキーホルダーをいただいたのですが、
やっと(メールではなく)直接お礼を言うことが出来ました。

R0013419.DNG


もう5月ですね。もう、今年の1/3が終わってしまいました。
私は明日から9連休です。


※コメントの投稿はここをクリック

0 comments:

コメントを投稿

 



Copyright © 2007 - 2013 liebejudith All Rights Reserved.