2009/05/16

Le Manoir D'HASTINGS

「マノワール・ダスティン」は銀座、ソニービルの少し先、
モンブランで有名なカフェ「みゆき館」の隣のビルの地下にあります。
ちょうど1年前に移転してきたのだとか。


以前から一度行ってみたいと思っていた店でした。


まずはシャンパーニュを。

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銘柄もブドウの種類も忘れてしまいました・・・

色が濃い。味が濃い。コクやとろみさえ感じます。
泡が無くても極上の白ワインという感じ。

・・・この写真、失敗しました。

もっとグラスの足の方まで入れるべきでした。
足と胴の境目の曲線が美しいのです。

さらに、店内の照明とこのグラスの相性がよいのでしょう、
足の付け根より少し上のあたりに常に光が集まって、
まるでワインの中に宝石が浮いているようなのです。

ヴーヴクリコのロゴがついていたので、
またどこかでこのグラスを見ることがあるかもしれません。


アペリティフを飲みながらメニューを検討します。
テーブル横に本日の食材がワゴンで運ばれてきました。
極太の、最高ランクと思われるシュパーゲル(白アスパラガス)、
野生のグリーンアスパラガス、大きな車エビなど。

アスパラガス3種に惹かれました。

メニューにあるおまかせコースにこれらは含まれているのか聞いてみたところ、
シュパーゲルは含まれるけど、グリーンアスパラガスは含まれないとのことです。
うーん、残念だけどコースのメインにある小鳩のパイ包み焼きも食べたかったので
コースをお願いすることに。


アミューズ。

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ブータンノワール(豚の血のソーセージ)です。
この店の自慢の一作。
この、わずかスプーンひとさじを食べるために
この店へ来るという方も多いと聞きます。

下にリンゴのジャムが敷いてあります。
この酸味・甘味・量はひとくちで口に入れるために
計算し尽くされているのでしょうか、
心憎いまでに絶妙なのです。

付け合わせは白身の魚のマリネ、
トマト・じゅんさい・タマネギを合わせたガスパチョ。
ゼリー仕立ての食感と細かく刻んだタマネギの辛みのバランスが
心地よいです。


白ワイン。

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Croze Hermitage 2005です。
すごい香り!
なんというか、まるでラムレーズンたっぷりのケーキが入っているような香り?
甘い香りがします。
でも飲むとスッキリなので、料理の味は邪魔しません。


前菜1皿目。

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先ほどワゴンで運ばれてきた車エビとシュパーゲルが使われています。
車エビは軽く茹でてあり、辛みの効いたトマトソースがかかっています。
シュパーゲルも茹でてあります。
上に乗っているのは、なんとパイナップルのソースです。
柔らかく茹でたシュパーゲルがパイナップルの食感に思えてきて不思議です(笑)
奥に見えるのはシュパーゲルのムースです。
生クリームたっぷりです。粗めの塩が少し振ってあります。


前菜2皿目。

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フォアグラ。いちごのコンフィティチュールが乗っています。
添えてあるのは苺のムースとブリオッシュ。
パンと肉とデザートが1皿に乗っていて、これだけで食事になりそうです(笑)


メインはまだ出ていませんが、既に大満足。
幸せな気分になってきました。


メイン1皿目。

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あずきハタのポワレ。
ソースはカレー風味。
アワビ・ホタテ貝・トマトのフリット、
そしてグリーンアスパラガスのソテーが添えてあります!

きっと、先ほどグリーンアスパラガスが入っていないと聞いて
私が残念がっていたため、入れてくれたのでしょう。

この心遣いに大感激です。

このグリーンアスパラガス、形が面白いと思いませんか?


赤ワイン。

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ブルゴーニュのものをいただきました。
Hautes-Cote de Nuits 2005年。
個人的にはボルドーも好きなのですが、
知らない銘柄だと香りや味が強すぎて失敗することもあります。

結果は正解。美味しいブルゴーニュはかくあるべき!と思える
確かな味と香り。強く主張はしないけどしっかり、といった感じでしょうか。

とても美味しいです。


メイン2皿目。

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小鳩のパイ包み焼きです。
胸肉はそのまま、その他は細かくしてフォアグラと合わせてパテ状にし、
パイで包んで焼いています。ソースはやはり小鳩の内臓を使っています。

これぞ狩猟民族!な料理です(笑)

写真には写っていませんが、このパイ包みの裏側に
にんじんのムースがあります。


テーブルの横にワゴンが運ばれてきました。
たくさんのチーズが乗っています!
すごくいい香りですが、おなかの限界も近いので残念ながらパス。


デザート1皿目。

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金時豆、そら豆など豆を使ったデザートです。
真ん中はかなりビターなチョコレートアイス。
豆の煮汁で作った寒天が添えてあります。

豆は硬めに煮てあります。芯が残っています。
これがまたいいのです。
煮豆は柔らかければ柔らかいほどいい、という常識をひっくり返すこの食感。
うならされます。


デザート2皿目。

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抹茶のブラマンジェ・ココナッツミルク。

抹茶がよく効いています。
でもちょっと甘すぎるかな・・・


最後にエスプレッソで終わり。

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またワゴンが来ました。

「お茶菓子はいかがですか?」

プラリネ・オレンジピール・クッキー・チョコレート
チーズケーキなど10種類はあったでしょうか。

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もうお腹いっぱいなので、プラリネとシュークリームだけいただきました。
シュークリームおいしい・・・


1品1品を存分に楽しませてもらいました。



このお店、昨年のミシュラン東京で星が付くと言われながら付かなかったのですが、
ここのファン達はそれを喜んだと言われるお店です。
星がついているからという理由だけで殺到するお客で
あふれかえるようなことにならずに良かった・・・と。

非常に居心地のよいお店でした。
オーナーシェフの五十嵐氏は手が空くと客席の様子を見に出てきます。
目が合うとニッコリ挨拶されるのですが、
このお人柄がこのお店の心地よさを作り出しているのかな、と感じました。


価格は2つ星、3つ星のお店ほどではありません。かなり良心的です。
3つ星の店でフルコースとワイン3杯なら、倍近くしそうです。
メニューやワインの種類を絞っているのもその要因のひとつでしょう。
でもかえって選びやすくなっています。
スタッフの丁寧な説明もあり、
こういうものが欲しいならこれ!と決めやすいのです。

でも、五十嵐シェフの料理は王道まっすぐばかりではありません。
今回もデザートに和を取りれていましたし、
メニューの中にはすっぽんや穴子を使ったものもありました。

季節ごとに来てみたいお店ですね。



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