今年は、朝比奈隆氏生誕100周年です。
今月の NHK BS2「クラシックロイヤルシート」は朝比奈氏特集です。
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/crs/index.html
私が初めて朝比奈隆氏の演奏を聴いたのは高校生の頃。
東京都交響楽団でブルックナーの交響曲第8番でした。
その、あまりにスケールが大きく、深く雄大な演奏に非常に驚きました。
大オーケストラが鳴りきる醍醐味を存分に味わわせてくれます。
私は朝比奈氏の演奏の虜になり、それ以来2001年に亡くなるまで、
東京での演奏会があれば行けるだけ行って聴いていました。
NHK交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団、
新日本フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、
シュターツカペレ・ベルリンなど、色々なオーケストラで
ベートーヴェン、ブルックナーを中心にいったい何度聴いたことでしょうか。
先週末の NHK BS2「クラシックロイヤルシート」では、
大フィルによるベートーヴェンの交響曲第3番・第5番・第7番が放送されました。
第3番は2000年の大フィル東京公演で、私も会場に聴きに行きました。
特に、第2楽章は想像を絶する巨大な音楽になり、
ひときわ凄絶な演奏だったのをよく覚えています。
2008年現在、これだけのスケールの大きな演奏ができる
現役の指揮者は思い当たりません。
ピリオド楽器による演奏が市民権を得て、
機敏で明快なベートーヴェンの演奏スタイルが主流になりつつある現在、
朝比奈氏のようなベートーヴェンを聴かせる指揮者は本当に少なくなりました。
私は、どちらのスタイルにもそれぞれの良さを感じます。
しかし率直に申しまして、大フィルは欧米はおろか国内の
トップクラスのオケに比べても技術面で見劣りするのは否めません。
しかし、50年間も朝比奈氏が育て続けたオーケストラです。
朝比奈氏の求める音楽を音にすることにかけては随一です。
確かに、このオケでなければできない演奏があったのです。
この点においてはベルリンフィルもウィーンフィルもかなわないでしょう。
久しぶりに朝比奈氏&大フィルによる演奏を堪能しました。
次回の放送はベートーヴェンの交響曲第1番・第8番・第9番が予定されています。
第九も楽しみですが、第1番も楽しみです。
朝比奈氏は第1番をこぢんまりとまとめた演奏にせず、
後期作品と同様に、巨大なベートーヴェンの音楽として演奏した人です。
こちらは、名演奏として有名な新日フィルとのベートーヴェン。
ベートーヴェン:交響曲全集
もちろん私も持っている、お気に入りのディスクです。
そして、その次の回からは待ちかねていたブルックナーです!
NHK クラシックロイヤルシート
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/crs/index.html
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お久しぶりですがブログお引越し
6 年前
2 comments:
大阪で、彼の晩年・・・確か92歳の時のブラームスチクルスを聴きにいきました。
その雄大でエレガントな演奏は今思い出しても感激します。
鳴り止まない拍手にいつまでも手を振って応えていらした朝比奈さんの姿が目に浮かびます。
マーサさん、
晩年の雄大さは凄かったですね。
ファンも熱狂的で、毎回こんなにアツいコンサートをする演奏家は希少だと思いました。
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