ヘイ!マシュー!君はなんて情熱的なんだい・・・?
なんてバッハの作品があったらオカシイですね。
Matthew's Passion (Matthäus-Passion) は
「マシューの情熱」ではなく「マタイ受難曲」と訳すのが正解です。
そろそろカーニヴァルの季節が終わり、受難節に入ります。
受難節が明けるとイースター(復活祭)ですね。
受難節とは、磔刑に処されたイエス・キリストの死を悼む期間のことです。
この時期、キリスト教徒達は喪に服すため禁欲生活に入ります。
その前に肉や酒を楽しんでおこう!というのがカーニヴァル(謝肉祭)です。
でも、現代ではカーニヴァルの楽しみだけが残り、
受難節の禁欲生活を送る人はごくわずかだそうで・・・
このキリストの受難をテーマにした音楽が「受難曲」で、
この受難節の時期によく演奏されます。
マタイ受難曲は、J.S.Bachが遺した最高傑作とも言われる作品です。
オーケストラ、混声合唱2組、児童合唱に加え、ソリスト5人を要し、
演奏時間は約3時間という超大作。
この超大作に真に気合いを入れて望む指揮者が多いため、
数々の名演奏・名録音がありますが・・・
悲しみをたたえた青白い炎が静かに燃え、ひたひたと迫ってくるような
このアーノンクールの演奏が大好きです。
バッハ:マタイ受難曲
ニコラウス・アーノンクール指揮/コンツェントゥス・ムジクス・ウィーン
アーノンクール自ら結成し、50年も続いているコンツェントゥス・ムジクス・ウィーンは、
隅々までアーノンクールの意志・思想が行き渡っていて、彼の手・足・口となり
とめどなく音楽があふれ出てきます。
クリストフ・プレガルディエン、クリスティーネ・シェーファーをはじめとする
豪華歌手陣もオーケストラに乗ってすばらしい歌を聴かせてくれます。
フレーズひとつひとつ、歌手達の言葉一つ一つが強く訴える力を持ち、
心に染み入り、それぞれに意味や重みを感じます。
心を敏感にして、その一つ一つを聴くと、えも言われぬ感動を味わうことができます。
癒しもあり、また、抗うことのできない運命の強大さを感じさせてくれます。
ああ、この響きにずっと包まれていたい・・・と思わずにはいられません。
ちなみに、日本の古い教会にある賛美歌集の中には、
本当に「聖マシューの情熱より」なんて書いてあるものが存在するらしいです。
似たようなものに「ジョンの熱愛」なんてのもありますね。
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お久しぶりですがブログお引越し
6 年前
4 comments:
マシューの情熱???
何だろうって思ったら…(笑)
マタイ受難曲は本当に素晴らしい曲ですよね。
私はカラヤンを持っていますが、このCDも聴いてみたいです。
あ~、いつか聖トーマス教会で聴いてみたい!!!
にまりさん、
この曲を初演したトーマス教会でマタイ!いいですね~。
トーマス教会で、通常のミサは行ったことありますよ。
ゲヴァントハウスオーケストラの伴奏付きでした。
こんばんは。
そういえば、ウチにあるのは誰の指揮かなー、と見てみました。
79年録音、カール・リヒター指揮でした。
ペーター・シュライヤーとフィッシャー・ディースカウという、
私の大好きな方々が歌っているので買ったのでした。
アーノンクールの丹精したオーケストラ、
聞きごたえがありそうですね。
カレルさん、
リヒターのマタイは有名な名演奏ですよね!
アーノンクールはまた全然違ったアプローチで楽しめると思います。
機会があれば是非。
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