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「ドレスデン国立歌劇場」の通称で有名なザクセン州立歌劇場が
オペラ引っ越し公演としては26年ぶりの来日公演中です。
ここのオーケストラは、私の大好きなオーケストラなのです。
ウィーンフィル以上に保守的で、とにかく伝統を守ることを
最重要視するこのオーケストラ。
ウェーバー、ワーグナー、Rシュトラウスゆかりのオペラハウスであり、
「シュターツカペレ・ドレスデン」と呼ばれるここのオーケストラは
世界最古のオーケストラとしても知られています。
ある団員はブログに「私たちは常にいつでも伝統、伝統と言われる」と書いており、
メンバーの方々もこのオケの団員であることに相当なプレッシャーを
感じているほどのオーケストラです。
今日はそのオーケストラ「シュターツカペレ・ドレスデン」のコンサート。
指揮は今年から音楽監督に就いたファビオ・ルイージ。
曲目はマーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」。
会場はサントリーホール。
マーラーの2番「復活」は全5楽章から成り、
4管編成の大オーケストラとソプラノ・アルトの独唱、混声4部合唱で演奏される、
90分もの大曲です。
第1楽章は劇的な苦悩と葬礼の音楽。
第5楽章は復活と歓喜の音楽。
このコンセプトやハ短調という調はベートーヴェンの「運命」の影響を感じます。
最終楽章が混声4部合唱付きの祝祭的な歓喜の音楽という側面は
第九の影響も当然あることでしょう。
指揮者のルイージはイタリア人ですが、ドイツ語圏での活動実績が豊富です。
昨年はウィーン交響楽団と来日して、モーツァルトを演奏しました。
私はこの公演をテレビで観ただけですが、ウィーン交響楽団から
とろけるようなサウンドを引き出していたのが印象的です。
彼は写真で見ると痩せ形で知的・クールな感じなのですが
その指揮ぶりは全く違うものでした。
情熱派・激情派です。かなりのオーバーアクションの熱血派でした。
おでこ・めがね・痩せ形とあって、当時のウィーンの新聞に掲載されていた
マーラーのカリカチュアを見ているようです。
シュターツカペレ・ドレスデンもさすがドイツ屈指の名門オケ。
ルイージの要求にくまなく応えます。
甘美な音色も、会場を圧倒するトゥッティも!
弦セクション・管セクションともにニュアンスの豊富さに驚愕です。
オーケストラって、あんなにいろいろな表情をつけられるのだな、と
改めて感じました。
4番トロンボーンはKontrabaßposaune持ち替えで演奏していました。
確か、スコアの指定では通常のBaßposauneだったはず。
ワーグナーの指環のような、素晴らしいサウンドを響かせていました。
合唱もすばらしい。先月、新国立劇場の合唱に感動しましたが
「さすがドイツ人の合唱団は体格が違うな」と思わせてくれます。
響きの大きさが違うというか。発音も違うのでしょう。
精度は新国立劇場のほうが高いと感じましたが。
大編成オケ・大合唱の祝祭的な雰囲気も相まって、
会場を大きな渦に巻き込む、感動的なコンサートでした。
気になったことは、
合唱団は最初からステージ上(というかPブロック)にいたのですが
その部分の照明を落としてあり、出番の少し前で明るくなりました。
演奏中だったのでちょっと気が散ってしまいました。
それから、第3楽章の前でのソリストの入場、
第5楽章でのホルンバンダセクションの出入り。
こういう曲にはつきものですが、なんとか気が散らない工夫が欲しいところですね。
コンサートの後は恒例、オ・バカナルでビール。
ANAインターコンチネンタルホテル前にはクリスマスツリーが出ていました。
だんだん街がクリスマスモードになる季節ですね。
お久しぶりですがブログお引越し
6 年前
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