ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」、
R・シュトラウスの「ばらの騎士」は私のお気に入りの演目の一つです。
悲劇に傑作が多いとされるオペラですが、これらの演目はハッピーエンドです。
・・・でも、両方ともほろ苦さを含んだハッピーエンドなのです・・・
マイスタージンガーは、他の街からやってきた若い騎士と地元の有力者の娘が恋に落ち、
年に一度のヨハネ祭の歌合戦の勝者に娘が与えられるという決まりができるのですが
見事その若い騎士が歌合戦の勝者の栄誉を得て、娘と結ばれるという物語。
同時に、若い騎士に歌を教える男やもめのベテラン靴職人は娘への密かな恋をあきらめる・・・
という物語です。
同時に「慣習にとらわれては行けない」「物事はその本質を見なければいけない」
「しきたりに固執する愚かさ」・・・といった教訓を含んだ物語でもあります。
まぁ、最後の「ドイツの職人を敬わなければいけない」「ドイツばんざい!」という
説教じみた展開はアレですが・・・(笑)
・・・それにしても、ベックメッサーの例のトンチンカンな歌。
日本語訳を見ているだけでは、ただただトンチンカンでわけわからないだけですが
ドイツ語だと抱腹絶倒モノな引っかけ満載なのだろうな・・・
と思いながらいつも観ています。
残念ながら私はそれがわかるほどドイツ語が達者ではないので。。。
ばらの騎士は、身分ある元帥夫人が若い騎士と不倫関係にあるけど、
若い騎士は若い貴族の娘と恋に落ちて結ばれ、元帥夫人はそれを察して身を引く・・・
という、年上の女性の悲哀を描いた物語です。
マイスタージンガーとは同コンセプトの逆バージョンですね。
財力や権力に物言わせる愚かさを説いた教訓を含んだ物語でもあります。
バレンボイム/バイロイトのマイスタージンガー
最近買ったDVDです。
ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
ダニエル・バレンボイム指揮 / バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団
Robert Holl / Peter Seifert / Emily Magee 他
序曲からグイグイみなぎるパワーに圧倒されます!
若い騎士ヴァルターを歌うのはペーター・ザイフェルト。
現代最高のワーグナーを歌うテノール歌手でしょう。
モダンさと洗練さを感じさせながらも、奇抜さ・違和感を感じさせない秀逸な演出。
1999年の収録ということで、音や画質も良いです。
マイスタージンガーと言えば、今年はウィーンでティーレマン指揮のプレミエがありました。
秋には来日公演も予定されていたのですが、ティーレマンの来日は残念ながら中止。
ウィーンの次期音楽監督がティーレマンではなく
ウェルザー=メストに決まった影響だと思います。
楽しみにしていただけに、本当に残念です・・・
近年では、新国立劇場でのベルント・ヴァイクル演出の名舞台がありました。
再演が望まれます。
クライバー/ウィーン国立劇場のばらの騎士
繰り返し観てしまう、お気に入りの1枚です。
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」
カルロス・クライバー指揮 / ウィーン国立歌劇場管弦楽団・合唱団
切れ味バツグンのクライバーの指揮!
とろけそうな甘美なワルツ!
観るたびに幸せになれる1枚です。
収録同時期(1994年)にほぼ同じ布陣で日本公演がありましたが、
これを観なかったことが今でも悔やまれてなりません・・・
昨年の新国立劇場の「ばらの騎士」もよかったです!
ジョナサン・ミラーの格調高い演出が忘れられません。
再演したらまた観に行きたい公演の一つです。
どちらの物語もほろ苦いのですが、
私が観られたチャンスという意味でもほろ苦かったのでした・・・
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お久しぶりですがブログお引越し
6 年前
2 comments:
クライバーはもうひとつ薔薇の騎士の映像がありませんでしたっけ?私は新しい方しか見ていませんが。
そういえば、サヴァリッシュのリングって見たことありますか?
mya姐さん、
もう一つありますね。1979年のバイエルン州立歌劇場の収録のものが。
もちろん、私は両方とも持っています。
バイエルンのは、クライバーの活力みなぎる活き活きとした音楽と
役にぴったりはまった歌手陣がとても魅力です。
どちらも捨てがたいです。
サヴァリッシュのリングは、10年以上前にNHK BSで放送したのを
録画したビデオを持っています。
演奏は素晴らしいです!歌手も良いです!・・・
が、銀河鉄道999か、キャプテンハーロックみたいな演出ですね。
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