昨日、NHK BShi で放送された夢の音楽堂
~ 世界最高のオーケストラ ベルリン・フィルのすべて ~ を
録画しておいたので、観ました。
7時間にわたる超特大番組です。
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/special/index.html
ゲストには作曲家の吉松 隆氏、ベルリンフィル元ヴィオラ奏者の土屋 邦雄氏が。
1961年ベルリンに壁が築かれたときに東側の奏者を受け入れた話や
カラヤンとの演奏の話など、
土屋氏自らの体験に基づく、数々の貴重な証言が興味深いものでした。
私の3人の師匠たちはみんなベルリンフィルと元ベルリンフィル。
師匠の音、師匠が憧れた音を求めて私もベルリンで勉強しました。
そんな私にとってベルリンフィルは特別なオーケストラです。
このオーケストラでなければ出せない音、できないことがあると思っています。
フルトヴェングラー、カラヤン、ザンデルリング、
ヴァント、アバド、ラトル、小澤による名演の数々。
50年代から昨年までのベルリンフィルの演奏の変遷がわかります。
中でも、私を狂喜乱舞させたのはヴァント指揮のブルックナー交響曲第9番!
93年の来日公演以来、私はヴァントの大ファンです。
ヴァントは最晩年、ベルリンフィルに頻繁に客演して
多くののブルックナーの名演奏を行いました。
しかしこれらの演奏はCD化はされていましたが、
映像は入手できなかったのです。
ブルックナー:交響曲第9番
ギュンター・ヴァント指揮/ベルリンフィル
この映像が放送されるとは!NHKなかなかやりますね!!!
期待に違わぬ素晴らしい演奏でした。
恣意的なことは一切行わず、ブルックナー本来の姿を大切にする演奏。
彫刻家の方がよく「自分で像を作り出しているのではない。
よけいな部分を取り除いて木や石に埋まっている像を取り出すだけだ」
なんて言いますが、まさにそんな演奏でした。
それから、小澤征爾氏の音楽はやはり自分の好みではないことを再確認。
なんだか、彼の演奏は一音入魂!なのですが、
音楽が流れないし、リズムやフレージングに深さを感じなくて・・・
私も一応、桐朋出身なのですが(笑)。音楽の好みと学歴は無関係ですね。
・・・カラヤン時代には本当に低音がガッシリ鳴る重厚な音でしたが
アバド~ラトル時代になって近年のベルリンフィルは音がどんどんシェイプアップされて
スマートになってきている傾向が感じられます。
剛毅さが薄くなり、しなやかさ・線の細さを感じます。
しかし正直なところ、私の好みからは外れてきているんですよね。。。
今やベルリンフィルは特別なオーケストラではなく、
数あるドイツのオーケストラの内の一つになった感があります。
気になるのは、特にここ10年ぐらいメンバーの出入りが激しくなってきたことです。
私がベルリンで勉強していた10年前とはメンバーがかなり入れ替わりました。
極限まで体力・精神力を消費する職場であることは想像に難くありません。
オーディションに受かったものの、しばらくやってみて限界を感じたり
「一生は続けられない」と感じる奏者の方も多いのではないでしょうか。
指揮者の物まね芸人は余計でしたね。
全然似てないし・・・
故人に失礼な芸も多いし・・・
あれは大ひんしゅくだったのではないでしょうか。
4月5日のカラヤンの100歳の誕生日には、
NHKは9時間にわたってカラヤン特集を放送するそうです。
こちらも今から楽しみです。
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/special/index.html
※写真は、2年ぐらい前にベルリンへ行ったときのものです。
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ソプラノさんの伴奏♪
9 年前
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