2007/12/10

フェルメールとの再会。

『「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展』
http://milkmaid.jp/



「ミルクメイド」の通称で知られるこの絵を
私はアムステルダムで何度も見ているので、
日本初公開というのが意外な感じでしたが・・・


この絵は私がフェルメールの虜になるきっかけとなった絵なのです。
はじめてこの絵を見たときの衝撃は忘れません。

アムステルダム国立美術館では、この絵は他の作家の絵と一緒に
大きめの部屋に飾られていて、決して特別扱いではありません。

でも。

部屋に入った瞬間「あれがフェルメール!」とすぐにわかる、
明らかに他の絵とは別格な「光」がそこにはありました。

左側の窓から差し込む光。

光が当たって輝き、本当に流れているようなあまりにもリアルなミルク。

青と黄。テーブルクロス。

周辺の小物まで一切手を抜かない精細な描写。

フェルメールは「光の芸術家」とも呼ばれています。
上の画像はネット上からお借りしてきたものですが、
本物はこんなものじゃありません!


ともかく、フェルメールが日本に来たならば会いに行かねば!

というわけで、六本木の新美術館に行ってきました。
私は、「これは!」という展覧会があれば有休を取って観に行きます。



月曜日の朝、開館とほぼ同時に入ったので、混雑の前にじっくり観ることが出来ました。

再会の感想は・・・

うーむ。

率直に言って、展示の仕方に問題ありです。

アムステルダムでは作為を感じない普通の部屋にさりげなく置いてありますが、
今回の展覧会ではこの絵が超目玉作品。
ということもあり、暗めの部屋にこの絵が一点だけ。
絵にはまんべんなく強めのスポットライト。
油絵の具の凹凸がキラキラ反射してしまっています。

フェルメールの光を殺してしまっているような・・・

とは言え、腐っても鯛。さすがはフェルメール。
他の作品とは明らかに違う「光」は確かに感じられました。


他にはヤン・ステーンの作品が良かったです。

まあでも、一点豪華主義な展覧会という印象はぬぐえず。。。



新美術館へ来たら、ランチは当然!館内にあるポール・ボキューズです。



3階フロアの、この突き出た逆円錐柱の上に客席があります。
厨房はこの逆円錐柱の中にあるのだそうで。

今でこそ銀座、代官山、大丸東京にも店舗がありますが、
パリにさえ出店していないポール・ボキューズがリヨン以外に初出店した店が、
ここ新国立美術館の「ポール・ボキューズ・ミュゼ(Paul Bocuse Le Musee)」なのです。
 ※ちなみに、代官山のメゾン・ポール・ボキューズはミシュランの星を獲得しましたね。

ヨーロッパの美術館のカフェやレストランはなかなか充実していることが多いのですが、
日本ではこの新国立美術館の「ブラッスリー・ポール・ボキューズ・ミュゼ(Paul Bocuse Le Musee)」
でようやく追いついた感じです。


開館して半年余り。春頃の混雑は多少は緩和されましたが、
それでも人気店であることには変わりなく。

あまりの行列に、整理券発行制度が導入されていました。
月曜にも関わらず、たくさんのお客さんが入っています。


鴨のテリーヌ。



濃厚です。豆と岩塩と胡椒が良いアクセントです。

付け合わせのピクルスも美味。



牛肉のロースト。



もう少し柔らかくても良いかな?とは思いました。

そして、この店へ来る最大の目的、クリームブリュレ。



クリームブリュレはこれが元祖・本家・本元。
ポール・ボキューズが考案したデザートなのです。

カラメルの焦げ具合、中身のなめらかさ。

さすが!絶品ですね。




ところで、来年また、注目のフェルメール展が企画されています。

「フェルメール展(仮称)」
http://www.tbs.co.jp/vermeer/

会場は上野の東京都美術館。
一挙6点公開は日本史上最大級なのだとか。

フェルメール全作品を観るのが目標の私は、ヨーロッパ大陸にあるものは全部見ました。

フランクフルト、ベルリン、ドレスデン、ブラウンシュヴァイク、
ウィーン、パリ、アムステルダム、デン・ハーグ・・・

あとはイギリス・アイルランド・アメリカを残すのみです。
来年のこの展覧会はイギリスから1点、アメリカから1点来ます。
まだ観たことのない作品です。

今から楽しみです!


「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展
http://milkmaid.jp/

ブラッスリー・ポール・ボキューズ・ミュゼ
http://www.hiramatsu.co.jp/restaurants/paulbocuse-musee/


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10 comments:

匿名 さんのコメント...

ま~。
もっとも好きな絵と再会なさったんですね。素敵な一日をお過ごしになりましたね。ちなみに今日は新月です。新月にお願いごとをすると叶うそうですよ。^^ 大好きな絵といい会話をなさったことでしょう★

フェルメールは、
恥ずかしながら、わたしは、不勉強で、よくわからないのです。素朴な題材であるということくらいしか・・・。あと、この絵がフェルメールのなかでは一番有名かもということしか。

なぜliebeさんが、フェルメールをとても気に入っているのか、もっといろいろ聞いてみたい気がします。

liebejudith さんのコメント...

りんさん、

フェルメールの絵の中で一番有名なのは、おそらく「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」でしょう。この絵もオランダで何度も観ています。

フェルメールの魅力は何といっても、あの「光」です。
印刷や画像ではおよそ伝わりません。

それから、計算し尽くされた構図、精細な質感の描画、そして寓意でしょうか。

匿名 さんのコメント...

『光の魔術師』フェルメール、本当にすばらしい画家ですよね。

liebejudithさんが以前本格的に音楽に関わっていたように、私も大胆にもあるときまで絵画(油絵)で身をたてようと考えていたことがあります。しかしながら、私は自分が描いていたからわかるんですが、白いキャンバスに置いてゆくのは、色ではなく光なんですよね。これ、私にはできないです。。

あたたかく、やわらかく、ゆたか。。独りで絵画を鑑賞していても、ぬくもりというものを感じられる、私にもあなたにもそこかしこにも、命があるということを認識させてくれる、そういうものが絵画鑑賞の意義でもあるような気がするのですが、その点、フェルメールには感服です。

liebejudith さんのコメント...

えっつんさん、
そうなんです。その絵の世界に引き込まれる・・・というか、その絵が世界へ温かく迎え入れてくれる感じがしますね。観ている側は好きなだけその世界に浸ることが許されているという気にさせてくれます。

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
芸術関連にお詳しいのですね。とても楽しく読ませてもらっています。ただ、在独の身には美味しそうな食べ物の写真、こたえます...
これからもときどきお邪魔させてもらいますね。

liebejudith さんのコメント...

マウスさん、
ご訪問ありがとうございます。
あそこまでのお寿司やお酒はドイツではなかなか食べられませんよね・・・。
是非またいらっしゃってください。

匿名 さんのコメント...

あ。。行かれたのですね。
展示の仕方、全く同感です。
実は同じことを12/2のブログに書きました(笑)
私はポール・ボーキューズは高そうなのでパスしちゃいましたが、いろんな人が良いと言うし、liebejudithさんの写真も美味しそうだし、行ってみようかな~。でも高いしなぁ~。

そうそう、昨日表参道のオトクそうなワインバーに行ってみましたよー。(仕事で東京に来ています。)
とてもよかったです。
liebejudithさんのおかげです。
ありがとうございます。
ブログで紹介するときにお名前出しても良いでしょうか?

マップの埋め込みと、アメブロの情報の件もありがとうございます。
やはり餅は餅屋ですね(^^ )

長文コメントになりすみません。

liebejudith さんのコメント...

day_diamond さん、
ホントだ、似た感想を書かれていますね。拝見しました。
ポール・ボキューズはオススメですよ。夜は行けないので、せめてランチで奮発です(笑)
はい、名前を出していただくのはいっこうに構いません。
というより、出していただけるなんて恐縮です。

匿名 さんのコメント...

liebejudithさん
こんばんは。
久しぶりにきてみました。
私も日本に来る直前の9月にオランダでフェルメールの絵を見てきました。
私は、初めてだったのですがとても感動しました。
ゴッホ美術館の花咲くアーモンドもとても良かったです。
また来ますね~

liebejudith さんのコメント...

ルナ☆ さん、
いいですね。Rijksmuseumの改修は終わったのでしょうか?

私も久しぶりにオランダへ行きたくなりました。
アムステルダムの空港は乗り換えでよく利用するのですが
考えたらもう4年ぐらいまともに行ってません。。。

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